柏原市立歴史資料館 スポット展示
常設展示室入口横で行っているミニ展示です。寄贈資料のほか、発掘調査の速報展など、およそ2か月ごとに展示替えしています。
11~12月のテーマ
『こんなモノをいただきました-足踏みミシンと布の一生-』
展示期間
令和5年11月13日~令和5年11月26日
概要
新たに当館にご寄贈いただいた足踏みミシンを中心に、“布の一生(ライフサイクル)”にかかわる道具を展示しています。
「ミシン」の語は「machine(マシーン=機械)」からきているという話があるように、足踏みミシンは、産業革命後のヨーロッパでいち早く普及した機械で、近代に入って、日本にももたらされました。足踏みペダルを踏む力を転換して針を動かし、縫製が行なわれる仕組みです。展示品は大阪 四条畷の森本製作所で製作されたもので(昭和初期から昭和40年代まで製造がなされていたようです)、ずっしりと重量感があります。
また、今回は、足踏みミシンのほか、「火のし」・「炭火アイロン」・「せんたく板・たらい」をあわせて展示しています。
「火のし」はひしゃくのような形をしており、皿の部分に炭を入れて、その熱で布のしわを伸ばします。当館では、高井田山古墳から出土した日本最古級のものもご覧いただけますが、その後、今から数十年前まで、ほとんどかたちを変えずに使われてきたのは驚きです。これに加えて、洋服のしわをのばすのに適した「炭火アイロン」の使用が近代に始まりました。熱源は同じく炭で、空気の通り道となる空気穴やえんとつの部分が特徴的です。「せんたく板・たらい」は、布を洗うための道具です。むかしの人は、こうした道具を用いて、衣服・布製品をつくり、あらい、つくろい、長い間、大切に使用してきたことがわかります。
この展示は、玉手中学校・堅下南中学校・国分中学校・堅上中学校の皆さんが職業体験の一環として制作しました。
ぜひ、この機会に展示をご覧いただき、電気が普及する以前の“布の一生”にかかわる道具について知っていただけると幸いです!