柏原市立歴史資料館 スポット展示

2024年7月9日

   常設展示室入口横で行っているミニ展示です。寄贈資料のほか、発掘調査の速報展など、およそ2か月ごとに展示替えしています。

7~8月のテーマ

『こんなモノをいただきました‐送風する道具-』

展示期間

令和6年7月2日(火)~令和6年8月25日(日)

概要

 7~8月期は、夏季企画展の内容に関連し、新たに寄贈を受けた「唐箕(とうみ)」と「箱ふいご」(猪名川町教育委員会 所蔵)を展示しています。

 より少ない労力で「風を送る」ことは、人類の発明史の長い課題でした。例えば、稲作には、収穫したお米の不要な部分(わらくずなど)がお米より軽いことを利用し、風の力でそれを除去する行程があり、江戸時代、手回しファンを装備した唐箕が日本に普及し、作業の負担が減ります。展示している「唐箕」は、八尾市恩智の荻原家から新たに譲り受けたもので、「国分市場町」(現 本市国分市場)の職人 車屋重次郎が製作したものです。
 また、鉄や金銀などの製錬・精錬(鉱石から有用金属を取出す行程)では、燃焼温度を高めるために「風を送る」必要があり、その道具として「ふいご」があります。展示している「箱ふいご」は、二層構造になっており、上層部のピストンを押し引きすることで(押したときも引いたときも)空気圧に変化が生じ、下層部の吐出口から風が吹き出す優れものの「機械」です。
 ところで、現在開催中の夏季企画展では、約221mにおよぶ排水用トンネル 田輪樋の開削について触れています。江戸時代の鉱山やトンネル開削工事では、「ふいご」や「唐箕」が、坑内に新鮮な空気を送り込み、空気の循環を改善する現在でいうサーキュレーターのような用途で使用されていたことが確認され、史料上はみえませんが、その構造上、田輪樋の改修工事でも活用されていたことでしょう。人類史において、道具は当初の意図を超えて様ざまな分野に転用され、技術の革新・作業効率の上昇・労働環境の改善をもたらすことがありますが、「送風する道具」についても、それは同様だったのでしょう。

 ぜひ、この機会に、大型の民具 2点を味わっていただけると幸いです!

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