2023年のスポット展示

2024年1月26日

2023年(令和5年)

1~2月のテーマ『こんなモノをいただきました‐風呂・洗濯板・たらい‐』

 手洗い・うがいをおこたらず、身体・衣服を清潔に保つことが、感染症などの病気を防ぐための重要な行為であることは言うまでもありません。電気・ガスのない時代は、こうした「洗う」行為を行うのも、現在よりとても苦労がありましたが、それでも、人びとは身体や衣服を「洗い」ました。
 今回のスポット展示では、市内で使用されていた “洗う道具”として、風呂・洗濯板・たらいを出品しています。

 ぜひ、この機会に、展示をご覧いただき、“洗う道具”の歴史に思いをはせていただけますと幸いです!

スポット展示  

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3~4月のテーマ『こんなモノをいただきました‐おひなさん‐』

 ご存知のように、3月3日のひな祭りでは、ひな人形を飾ってお祝いしますが、こうした風習が定着したのは、江戸時代からだといわれています。当時の大坂や京都では、京都の御所をモチーフにした「御殿びな」が中心で、一方、関東では、5段や7段に飾るひな人形が人気となりました。
 展示している「御殿びな」は、昭和15(1930)年、70円(現在の価値で、10数万円ほど)で購入されたもので、平成6年に当館へご寄贈いただきました。立派な御殿に、内裏雛、随身(右大臣と左大臣)、官女、仕丁などがならび、現代のドールハウスのような雰囲気です。
 今回のスポット展示では、この他、手の込んだ繊細さ、豪華さが目を引く「ひな道具」(子どものおままごとの道具で、後に、おひなさんの時に飾る道具ともなりました)、さらに、ひな祭りが「桃の節句」であることに注目し、ひな祭りが現在のかたちに定着するはるかむかしの、古代の「桃核」もあわせて出品しています。「桃太郎」の昔ばなしからも想起されるとおり、古来、モモには不思議なパワーが宿っていると信じられてきました。

 ぜひ、この機会に、毎年恒例の“おひなさん”の展示をご覧ください。

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5~6月のテーマ​『こんなモノをいただきました-炊飯する道具-』

 日本列島では、古墳時代にかまど(おくどさん,へっついさん)でコメを「炊く」技術がもたらされ、鉄製の「羽釜(はがま)」が普及した江戸時代に、現在の炊飯の形式が確立しました。コメと水さえ入れておけば、炊飯器がそれを自動で行なってくれる現代においても、基本はそのままです。「初めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いても蓋(ふた)取るな」という文句を聞いたことがある方も多いでしょう。
さらに、現代の炊飯ジャーは、保温機能を兼ね備えています。お米が炊けたら、かつてはすぐにお櫃(ひつ)に入れ替える必要がありました。
 今回のスポット展示では、市内で使用されていた新蔵品の電気炊飯ジャーを中心に、そうした“炊飯する道具”をご覧いただきたいと思います。

 ぜひ、この機会に、“炊飯する道具”の変遷について、思いをはせてみてください。

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7~8​月のテーマ​『戦争にかんする資料

 毎年8月は、先の戦争について思いをはせ、平和を希う1か月でもあります。今回のスポット展示では、その一助となればとの思いから、市民の方よりご寄贈を受けた、戦争にかんする資料を展示することとしました。
 本市国分の人びとが書いた「寄書き日の丸」、戦時国債証書、それに、国民服を出品しています。当時実際に使われていた資料から、総力戦のもとで、国民が常に「耐えしのぶ」ことを余儀なくされ、また、戦場で命の危機にさらされていた時代について、想像していただけますと幸いです。

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9~10月のテーマ​『こんなモノをいただきました-ちょっと昔のラジオ&ちょっと昔の蚊帳-』

 昭和30年ころの生活に欠かせなかった真空管が使用されたラジオ、夏の夜の蚊の対策として使われた蚊帳。懐かしくてちょっとおしゃれなものを展示しています。

 今回のスポット展示は、博物館実習の一環として、実習生が展示を担当し、展示構成やレイアウト、パネルづくりなどを行いました。

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秋スポット展示  秋スポット展示

11~12月のテーマ『こんなモノをいただきました-足踏みミシンと布の一生-』

 新たに当館にご寄贈いただいた足踏みミシンを中心に、“布の一生(ライフサイクル)”にかかわる道具を展示しています。

 「ミシン」の語は「machine(マシーン=機械)」からきているという話があるように、足踏みミシンは、産業革命後のヨーロッパでいち早く普及した機械で、近代に入って、日本にももたらされました。足踏みペダルを踏む力を転換して針を動かし、縫製が行なわれる仕組みです。展示品は大阪 四条畷の森本製作所で製作されたもので(昭和初期から昭和40年代まで製造がなされていたようです)、ずっしりと重量感があります。

 また、今回は、足踏みミシンのほか、「火のし」・「炭火アイロン」・「せんたく板・たらい」をあわせて展示しています。
 「火のし」はひしゃくのような形をしており、皿の部分に炭を入れて、その熱で布のしわを伸ばします。当館では、高井田山古墳から出土した日本最古級のものもご覧いただけますが、その後、今から数十年前まで、ほとんどかたちを変えずに使われてきたのは驚きです。これに加えて、洋服のしわをのばすのに適した「炭火アイロン」の使用が近代に始まりました。熱源は同じく炭で、空気の通り道となる空気穴やえんとつの部分が特徴的です。「せんたく板・たらい」は、布を洗うための道具です。むかしの人は、こうした道具を用いて、衣服・布製品をつくり、あらい、つくろい、長い間、大切に使用してきたことがわかります。

 この展示は、玉手中学校・堅下南中学校・国分中学校・堅上中学校の皆さんが職業体験の一環として制作しました。
 ぜひ、この機会に展示をご覧いただき、電気が普及する以前の“布の一生”にかかわる道具について知っていただけると幸いです!

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