【広報コラム】「大阪鉄道開業130周年」(2019・6)

2024年9月12日

 今から130年前の明治22(1889)年5月14日、現在のJR関西本線(大和路線)の祖先とも言うべき「大阪鉄道株式会社」により湊町(JR難波)柏原間が開通しました。大阪と奈良を結ぶために計画された最初の鉄道であったことから、沿線の人々の期待も大きかったようです。
 柏原駅が現在のように橋上駅となったのは、平成19 年のこと。その工事に伴い、それまで使われてきた地上の駅舎が解体されることになりました。「何か大事なものが残されているかも知れない」と工事に立ち会ったところ、駅舎の柱にレールが再利用されていることに気がつきました。よく見ると何やら文字が。レールの側面には、製造会社や製造年、規格などの情報が記されます。これには「C A M M E L L S 」「TOUGHENED STEEL」「1888」「SEC350」「O.T.K」と記されており、イギリスのキャンメル社が1888年に大阪鉄道用として作ったものであることが分かりました。
 この他にも、数種類のレールや開業時に使われていたと思われるレンガが見つかり、歴史資料館で保管しています。さらに1887年製のレールが、とある場所で再利用されていることも分かりました。
 鉄道の長い歴史を物語る資料が、まだどこかに眠っているかも知れません。

キャンメル社レール

▲キャンメル社製のレール

(2019年6月号掲載) 

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