【広報コラム】「龍田古道は日本最古の官道!」(2020・2)

2024年9月6日

 柏原市と三郷町は、「龍田古道」が日本遺産に認定されるように申請しています。結果が出るのは今年の5月ごろの予定ですので、皆さんもご期待ください。
 柏原市から大和川沿いに奈良県へ抜ける道は龍田道(竜田道)と呼ばれていました。龍田道は数本のルートに分かれ、それらを総称して「龍田古道」と呼んでいます。この龍田道は日本最古の官道だったと考えられています。つまり、古代の国道1号線です。「日本書紀」推古天皇21(613)年に「難波より京に至る大道を置く」という記事があります。これが、日本最初の官道設置と考えられています。
 「最古の官道は、竹内街道ではないのか?」という人もいると思います。しかし、竹内街道の設置は、最近の発掘調査の結果から7世紀中ごろ以降と考えられます。一方、龍田道を通るルートは、難波―四天王寺―渋河道―龍田道―太子道(筋違道)―飛鳥というルートが想定され、このルート上には四天王寺、渋川廃寺、船橋廃寺、衣い ぬ縫い 廃寺、平隆寺、斑い かるがでら鳩寺(法隆寺)、中宮寺という7世紀前半に建立された寺院がずらっと並びます。このルートこそ、最古の官道にふさわしいのです。そして、このルートを計画、整備したのは、寺院とも関連の深い聖徳太子だったと考えられます。日本最古の官道である龍田古道が日本遺産に認定され、古代のように多くの人々が行き交うようになることを期待したいと思います。

最古の官道のルート
▲最古の官道のルート

(2020年2月号掲載) 

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