【広報コラム】「柏原にも世界遺産?」(2021・5)

2024年9月5日

 柏原にも世界遺産があります!一般に世界遺産と言えば、ユネスコの認定する世界文化遺産や世界自然遺産のことです。しかし、それ以外にもさまざまな団体が独自の世界遺産を認定しています。国際かんがい排水委員会が認定する「世界かんがい施設遺産」もその一つで、皆さんがよく知っている長瀬川が、平成30年に認定されています。正式には「大和川分水築留掛かり」と言います。これは、長瀬川と玉串川のことです。
 宝永元年(1704)に大和川が付け替えられました。旧川筋に暮らす人々は、それまで洪水に苦しんでいましたが、一方で大和川の水を田畑の用水として利用していたのです。付け替えはありがたいことですが、水がなくなると困ります。そこで、新大和川の水を利用するために旧川筋に設けた用水路が長瀬川と玉串川なのです。
 長瀬川と玉串川は、(1)大和川付け替えという歴史的な出来事に伴って設けられ、それ以来300年以上も利用され続けている、(2)流域78カ村、約4千ヘクタールの用水となる大規模な用水路である、(3)用水としての利用が減った現代においては流域の人々の潤いの空間となっていることなどが評価され、世界かんがい施設遺産に認定されました。この長瀬川と玉串川をテーマとした企画展を歴史資料館で開催中です。知らなかった長瀬川の魅力を発見できると思います。ぜひご覧ください。

築留二番樋

▲新大和川から長瀬川に水を引くために設けられた築留二番樋

(2021年5月号掲載) 

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