【広報コラム】「ちょっと昔の調理器具」(2021・6)
2024年9月5日
現在、歴史資料館のスポット展示コーナーでは、寄贈いただいた昔の調理器具を展示しています。七輪などの炭を利用する調理器具が主ですが、そのなかに天火(てんぴ)調理器があります。陶器製の鍋の下に炭を入れ、その上に魚や肉を置いてふたをし焼くもので、日本式ダッチオーブンと言われています。ダッチオーブンはアメリカの西部劇でよく見かけますが、最近のキャンプブームで再び注目されている調理器具です。一緒に寄贈いただいた入れ物の箱には「こぞって天火器 笑って料理 一家に一台 かならず必要」とあり、妙にほのぼのとする売り文句が書かれています。
展示ではほかに、奈良時代の「竈(かまど)」も展示しています。奈良時代といえば、1300年ほど前なので「かなり」昔の道具になりますが、歴史資料館近くの高井田遺跡から見つかりました。竈といっても壁などに設けて煙突が付くような大きなものではなく、高さが30センチほどの小形品です。煤すすが付いているので実用品であり、さほど重くないため持ち運びもできます。奈良時代にキャンプブームがあったとは思えませんが、移動先で簡易的に煮炊きをするための竈の可能性があります。
残念ながら、竈で何を作っていたのか不明です。どんな食事をしていたのか想像しながら展示を見ていただければ、少し違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
▲天火(てんぴ)調理器(左)と高井田遺跡から見つかった竈(かまど)(右)
(2021年6月号掲載)
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