【広報コラム】「オンライン×歴史・文化財」（2022・3）

　歴史資料館では、昨年からボランティア団体、柏原市社会福祉協議会と協力し、市内の福祉施設に向けて、当館の所蔵資料の紹介や解説を月に数回、ライブ配信しています。また今年に入り、遺跡などの現地リポートを加えた「ビジュアルヒストリーガイドin柏原」も開催しました。このガイドは、今後も遺跡を変えつつ実施する予定です。
　こうした取り組みのきっかけは、ボランティア団体の方からの熱意ある提案でした。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で直接施設へ出向くことが困難になり、活動の継続が危ぶまれるなか、所蔵の民具資料を動画配信してもらえないか、という相談です。当館も昨年、通信設備が整ったこともあり、こちらもぜひ、ということで話は進んでいきました。福祉施設の反応は好評で、出歩くことが難しい個人の方へもライブ配信を広げようとしたところ、問題は動画を見るのに必要なパソコンやスマートフォンの扱い方をどうフォローするかでした。相談に乗ってもらったのが社会福祉協議会で「リモートボランティア」というライブ配信の実績があり、ノウハウや必要な機材など、まさに「鬼に金棒」の協力を得ることができました。さらに社会福祉協議会を通じ学生ボランティアにも参加してもらい、開始当初と比べ、とても充実した配信となっています。
　当館単独では、オンラインイベントの実現はかなわなかったでしょう。個人や団体からのさまざまなご協力のおかげで、何とか開催できたと痛感しています。当館としては、展示室にて実物の資料の迫力や雰囲気を直に感じてもらうのが一番おすすめですが、画面を通じて、歴史資料館や遺跡に行った気分に浸る、というのも歴史の楽しみ方の一つだと考えています。

（2022年3月号掲載）

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