【広報コラム】「史跡誕生100年」(2022・6)

2024年8月30日

 歴史に興味のある方であれば「史跡」という言葉を聞いたことがあると思います。史跡とは、文化財保護法(1950年施行)のなかで示された用語で、「貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で、我が国にとって歴史上または学術上価値の高いもの」のうち重要なもの、とされています。また、史跡のなかでも特に重要なものは、特別史跡に指定されます。大阪府内の国史跡は68件で、大坂城跡(大阪市)、百済寺跡(枚方市)の2件が特別史跡に指定されています。
 もともと史跡は、国が指定するものをいいましたが、1969年施行の大阪府文化財保護条例によって、大阪府でも史跡が指定できるようになり、これまでに68件が指定されています。さらに2007年には、柏原市でも柏原市文化財保護条例が施行され、市の史跡として指定できるようになりました。こうした流れは、各地域にある多様な文化財を、より広く周知し、柔軟に保存・活用していくべき、という流れに沿ったものと言えます(各史跡の件数は、令和4年3月現在)。
 市内にある国史跡は、高井田横穴、松岳山古墳、田辺廃寺跡、鳥坂寺跡の4件、府史跡は、智識寺金堂跡および東塔跡、安福寺横穴群、清浄泉の3件、市史跡は、玉手山1号墳の1件があります。これらの史跡のなかで最も古くに指定されたのが、高井田横穴と松岳山古墳で、1922年に指定されました。大正時代から、それらの古墳の重要性が広く認識されていたのでしょう。今年はその指定からちょうど100年にあたり、その2つの遺跡をテーマにした夏季企画展を開催します。
 この機会にぜひ、市内の史跡について理解を深めてもらえれば幸いです。

(2022年6月号掲載) 

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