【広報コラム】「地形・地質・歴史から学ぶ防災」(2022・7)

2024年8月30日

 今年も災害の多い季節を迎えました。「天災は、忘れたころにやってくる」と言いますが、近頃は忘れる前にたびたび災害が起こっているように思います。災害は、地形や地質によって大きく変わります。柏原は山と川の自然に恵まれた土地ですが、複雑な地形はさまざまな災害の要因となります。洪水、土砂災害、地震、地すべりなどによって、お住まいの地がどのような影響を受けるのか、理解しておくことが必要です。そして過去の歴史を学ぶことによって、災害をどのように防ぐことができるかという防災に役立てることもできます。
 例えば、かつて川が流れていたところは洪水の危険性が高くなります。ため池があったようなところは土砂災害が心配されます。それを歴史が教えてくれます。
 同じ地震でも南海地震と生駒断層や大和川断層による直下型地震とでは、被害が異なります。直下型地震の場合、活断層周辺で大きな被害となります。活断層近くにお住まいの方は、普段から心がけておくことが必要でしょう。
 今の長瀬川が流れているところは、付け替えまでの旧大和川が流れていました。旧大和川が天井川だったため、今でも周囲より2~3m高く、たとえ大和川の水があふれ出しても水害の心配はありません。しかし、もともと川だったところなので、地下には過去の洪水で運ばれてきた砂が数メートルの厚さでたまっています。地震が起こると、この砂が液状化によって地上に噴き出し、道路の陥没や家屋の傾きなどが予想されます。
 今年3月に刊行した『柏原の歴史1』では、柏原の地形や地質のほか、想定される災害にも触れています。ご覧いただいて、防災意識を高めるために活用していただきたいと思います。

(2022年7月号掲載) 

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