【広報コラム】「弥生時代の柏原もスゴイ!」(2023・2)
柏原は歴史豊かなまちですが、特に注目されるのは、古墳時代の古墳、飛鳥・奈良時代の寺院跡、江戸時代の大和川付け替え工事、という歴史の御三家とも呼べる重要な遺跡・事柄です。最近では日本遺産「龍田古道・亀の瀬」も盛り上がっており、柏原の歴史四傑ともいえる状況になりました。こうした状況は歴史に携わるものとして大変うれしく思いますが、それらの陰に甘んじていると感じるのが弥生時代の柏原です。
弥生時代の柏原には、当然多くの弥生人が暮らしていました。注目の資料も多数あり、縄文から弥生時代へ移っていく時期の「縄文絵画土器」(船橋遺跡)、動物のレリーフのある「絵画土器」(平野遺跡)、利用方法などが謎に包まれた「小銅鐸」(本郷遺跡)は、いずれも全国的に見て非常に貴重で、すべて市の文化財に指定されています。そのほか、大県の山中で見つかった「多鈕細文鏡(たちゅうさいもんきょう)」は、この種類の鏡では日本最大クラスで、上野にある東京国立博物館(トーハク)に展示されています。まだまだ貴重な資料もあり、弥生時代の柏原も、ほかの時代に負けないくらい多様だったことは間違いありません。そうした土壌があったからこそ、次の古墳時代もまた大きく展開していったのでしょう。
偶然ですが昨年、全国有数の弥生時代の遺跡である青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(鳥取県)で見つかった人骨を復元したところ、柏原市内在住の方がそのそっくりさんということで、グランプリを受賞するという快挙がありました。3月5日の講演会には、柏原に甦った弥生人の方を特別ゲストに、当館と弥生文化博物館の学芸員が、弥生時代の柏原の魅力についてお話します。
先の歴史四傑に弥生時代が加わり、柏原の歴史五傑となる日もそう遠くないかもしれません。
(2023年2月号掲載)