【広報コラム】「龍田古道 亀の瀬 絵巻」(2023・8)
2024年8月29日
日本遺産「龍田古道・亀の瀬」推進協議会が作成した「龍田古道 亀の瀬 絵巻」が歴史資料館で公開されています。龍田古道とその周辺を、ピクセルアートという技術で絵巻風に描いた、映像作家重田佑介氏による作品です。
時代設定は、龍田古道が最も華やかだった奈良時代としました。平城京を出発して難波宮へと向かう行幸の列は、ほんとうは千人以上の規模となりますが、数十人の行列にしています天皇の乗る輿には鳳凰が乗っています。先頭を行くのは南九州の隼人です。「オー」という不思議な声が響きます。これは山に入るとき、国境を越えるときなどに、神さまに「通らせていただきますよ」と呼びかける隼人の声です。
細部に注目してください、空には龍田大社を象徴する龍が舞っています。雁も飛んでいきます。万葉集を詠む高橋虫麻呂がいます。やがて行幸の列は竹原井離宮に入り、再び難波宮へと出発します。美しい女性が河内大橋を渡っています。
亀の瀬で踊っている人がいます。これは四天王寺の舞楽「蘇莫者(そまくしゃ)」にみられる場面で、聖徳太子が亀の瀬で笛を吹いていると、信貴山の神さまが猿の格好をして踊り出したという様子を描いています。また、地響きとともに亀の瀬の山が震えて地すべりをおこしそうです。ほかにも、隠れた場面があるかもしれません。みなさんも新しい発見をしてみてください。
▲絵巻のワンシーン
(2023年8月号掲載)
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