【広報コラム】「柏原と龍」(2023・12)
2024年8月29日
来年は辰年です。辰は龍のことです。十二支のなかで、ただ一つの架空の動物です。そんな龍にまつわるものが、柏原にはいろいろあります。
船橋遺跡からは、弥生時代後期(今から約2千年前)の龍を描いた土器が出土しています。壺の肩のところに、図のような絵が、土器を焼く前に刻まれています。左上の丸い部分が頭です。頭の左には2本の角、右にはひげがみえます。くねらせた胴体の下には4本の脚がみえます。胴体の上にはうろこが3カ所にみえます。どうです?龍に見えてきましたか?
龍は中国で生み出された想像上の動物ですが、水をつかさどるものとして信仰され、それが弥生時代後期に日本に伝わりました。土器などに描かれたのですが、伝わっていくあいだに形がくずれ、船橋遺跡の絵だけみると、これが龍かと疑いたくなるのですが、龍なのです。この土器も雨乞いなどに使われたのかもしれません。
これ以外にも、高井田山古墳から出土した銅鏡にも龍が描かれています。また、日本遺産に認定されている龍田古道にも「龍」の文字が入っているように、龍田古道に沿って龍田山があり、龍を祀まつった龍田大社があるなど、大和川の水と、そこを吹き抜ける風を龍に祈ったようです。亀の瀬には竜王社という神社もあります。
このように、柏原には龍と関わるものがたくさんあります。辰年にちなんで、みなさんも身近な龍を探してみませんか?
▲土器に描かれた龍(船橋遺跡)
(2023年12月号掲載)
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