特集展示「京都国立博物館資料里帰り展-船橋遺跡-」
2021年10月21日
展示期間
令和3年7月6日(火)~9月12日(日)
概要
今回のテーマは、船橋遺跡出土の土器です。
柏原市と藤井寺市にまたがって広がる船橋遺跡は、かつて土器が採集できる遺跡として有名でした。1704年の大和川付け替え工事により、遺跡の中央に大和川が東西に流れることとなり、以後、大雨で川が増水するたびに河川敷の土が流されていきました。その結果、地中の土器が地表に現れ、かなりの量の土器が採集されています。
当館には、個人から寄贈された船橋遺跡の土器が多数ありますが、ほかに大阪府立弥生文化博物館、東京国立博物館、京都国立博物館にも寄贈資料があります。今回は、京都国立博物館所蔵品で、弥生時代中期から後期(約2100~1800年前)の壺など、ほとんど欠けがない優品をお借りすることができました。この頃の土器には、表面に櫛のような工具を使って文様をつける「櫛描文(くしがきもん)」があり、弥生土器のなかでも最も華やかに飾られた土器といえます。また、ほぼ完全な形だからこそわかる土器のフォルムの美しさにも注目です。
ほかに、当館所蔵の弥生土器、柏原市指定文化財の縄文絵画土器もあわせて展示しています。
なお相互展示ということで、当館所蔵の大県遺跡の墨書土器・瓦、安堂遺跡の人面墨画土器、田辺古墓群の骨蔵器など約40点を京都国立博物館へ出品しています。もし京都にお立ち寄りの際は、ぜひ国立博物館にて柏原の名品もご覧ください。