【コラム】大県誕生から1,300年(10)大県誕生から1,300年を迎えて
『日本書紀』が完成したのが養老4年(720)です。それから今年(令和2年・2020年)で1,300年となります。このことはよくわかっており、当館でも夏に「日本書紀と柏原」をテーマとする企画展の開催を考えていました。これは新型コロナ感染防止のために翌年に延期しましたが、『日本書紀』1,300年は数年前から意識していました。
ところが、本年7月ごろに『続日本紀』を読み返しているとき、同じ養老4年に大県郡成立の記事があることに気が付きました。もちろん、大県郡成立の記事はよく知っており、館報第21号(2009年)に「大県郡の成立について」という一文を掲載しておりました。しかし、それが養老4年のことで、今年で1,300年になるということをすっかり忘れていました。これは、大県郡の誕生日なのです。現在も残る地名の成立した年月日までわかる例などほとんどないでしょう。これを広く市民にお知らせする必要があると痛感するとともに、どうしてもう少し早く気がつかなかったのかと悔やまれました。それから、市役所内の秘書広報課や産業振興課などに連絡をとり、これを何とか活かせないかと相談しました。その結果、柏原市広報11月号で4頁の特集記事を組むことや、大県の地元で講演会を開くことなどが決まっていきました。
歴史資料館でも、「大県誕生1,300年」の紹介コーナーを設けるとともに、このコラムを掲載することによって、少しでも市民の方々に知っていただきたいと思っています。そして、できれば地元の大県の方々がこの日を大切にし、大県の誕生日として今後祝っていただけたらと思います。
歴史は身近なこところに潜んでいます。歴史を知ることによって、自分の住んでいる地域への愛着も湧いてくると思います。歴史資料館として、そのような観点からも市民の方々のお手伝いができればいいなと思っております。
また新しい発見があれば、発信していきます。楽しみにしていてください。
(安村)
空からみた大県周辺