安堂遺跡出土木簡
名称(ふりがな)
安堂遺跡出土木簡(あんどういせきしゅつどもっかん)
員数
6点
時代
奈良時代
種別(指定番号)
有形文化財 考古資料(柏有第11号)
指定年月日
平成27年2月22日
所有者
柏原市
所在地
柏原市立歴史資料館
解説
これらの木簡は、昭和60~61年にかけて行われた安堂遺跡(市内安堂町968-1)の発掘調査で見つかったものです。3.5×1.5mの楕円形で深さ1.5mの土坑(どこう)からは、木簡のほか、しゃもじや箸などの木製品、桃・ウリ・ヒョウタンの種なども見つかりました。
「調塩」(2号木簡)、「近江国浅井郡」(3号木簡)などの記載や木簡の形状から、税として平城宮に送られた荷物に付けられていた荷札木簡と考えられ、なんらかの理由で塩や米などが安堂遺跡に持ち込まれたのでしょう。こうした税にかかわる木簡が、都以外で見つかる例は全国的にみてもほとんどなく、出土場所が、聖武天皇や孝謙天皇が参拝した智識寺のすぐ南側にあたることから、智識寺あるいは智識寺南行宮に関係する可能性があります。古代の柏原を考える上で、非常に重要な歴史史料といえます。
【1号木簡】
・◇○九月一日進上車○一両○載稲六十束 ・◇建麻呂持稲十束○合七十束○付飯万呂 263×18×4 011型式
【2号木簡】
・若狭国遠敷郡/野里相臣山守/調塩三斗∥ ・○天平十八年九月 142×31×4 031型式
:若狭国遠敷郡野里…福井県三方上中郡若狭町周辺
:天平十八年…746年
【3号木簡】
・近江国浅井郡田根郷 ・春□□男戸 (112)×22×4 051型式
:近江国浅井郡田根郷…滋賀県長浜市高畑町周辺
【4号木簡】
・浅井郡田根郷 ・□□□〔春マ酒ヵ〕男戸 121×20×4 051型式
【5号木簡】
・益田郷戸主錦部□□〔部大ヵ〕□□〔米ヵ〕五斗 200×16×4 051型式
:益田郷…滋賀県長浜市益田町周辺
【5号木簡】 ・七月□〔七ヵ〕\○□ ・□\□ (59)×58×5 011型式
凡例
・表裏の別 ◇穿孔 ○文字が書かれていない部分 〈 〉字数不明欠損文字 /割書の始まり ∥割書の終わり □字数判明欠損文字 〔 〕校訂に関する注のうち、本文に置き換わるべき文字を含むもの \改行 ヵ 編者が加えた注で疑問の残るもの
011型式 長方形の材のもの
031型式 長方形の材の両端の左右に切り込みをいれたもの
051型式 長方形の材の一端を尖らせたもの
安堂遺跡出土木簡