史跡高井田横穴 今年の春の特別公開は 5月17日(土) 高井田山古墳のお披露目も兼ね

2014年4月18日

 柏原市教育委員会文化財課は、5月17日(土)に史跡高井田横穴(6~7世紀)の内部を 特別公開する。普段は非公開の横穴の内部に入って、線刻壁画を間近に見学することができる。貴重な史跡に親しむことで文化財への理解を深め、郷土への愛着 を育んでもらおうと、同文化財課が、毎年、春(5月)と秋(10月)の2回、代表的な横穴、10数基の内部を特別公開している。今回は、3月末に石室を覆 (おお)うマルチシェルターのリニューアルが完了した高井田山古墳(5世紀)のお披露目も兼ねて実施する。午前10時から午後3時。申込不要で参加無料。 JR大和路線高井田駅から北へすぐ、近鉄大阪線河内国分駅から北へ徒歩約10分。雨天決行。

 当日は、例年どおり高井田駅北側の史跡公園入口から約100メートル入った、同公園内・屋外展示広場に受付を設け、資料などを配付する。見学自由だが、 同文化財課の課員が時間を決めて主な横穴と高井田山古墳を案内する。案内は午前10時、11時と午後1時、2時の計4回、所要時間は各回とも約1時間。同 市の市民歴史クラブ(長澤星二会長・18人)の会員らが今年もボランティアで協力、案内などをサポートする。

 当日の見学者には、同市教委発行の小冊子「文化財ガイドシリーズ」のうち、「高井田横穴群」と「高井田山古墳」をセットでプレゼントする。併せて、横穴 をめぐるクイズラリーも実施、全問正解者には横穴をデザインしたクリアファイルか横穴の線刻壁画をデザインしたストラップタイプ缶バッジ(5種類)のう ち、希望の1点をプレゼントする。  同文化財課では、「横穴の中に入ることができる年2回のチャンスをお見逃しなく。併せて、リニューアルが完了した高井田山古墳の見学も」などと話している。

 史跡高井田横穴特別公開について、くわしくは、同文化財課(市立歴史資料館内、072-976-3430)まで。

 

【史跡高井田横穴】

 古墳の石室と似た構造を持つ同時代の墓で、内部に「ゴンドラに乗る人物」などの線刻壁画が描かれていることで全国的に 有名。古墳と異なり、崖面に直接、墓室などが掘られているのが特徴。大正6年(1917)に発見され、大正11年(1922)に国の史跡に指定された。現 在、162基が確認されているが、総数は200基以上に上ると推定されている。

 平成2年(1990)、高井田山古墳を含んだ約36000平方メートルの区域が、国の史跡に追加指定された。現在は、一帯が史跡高井田横穴公園として整 備されている。同種の横穴群は、大阪府内では高井田横穴と安福寺横穴、玉手山東横穴など(いずれも柏原市内)しか確認されておらず、大変貴重。

 

【高井田山古墳】

 石室を保護しながら石室内部を見学できるよう、石材が失われていた石室上部をマルチシェルターで覆った公開古墳(直径約 20メートルの円墳)。5世紀後半の築造とみられ、畿内最古の横穴式石室を持つ。韓国の武寧王陵(6世紀前半)と共通点が多く、二つの古墳からは、ともに 火熨斗(ひのし)型青銅製品や金層ガラス製品(装身具)などが出土している。昆支王(こんきおう=武寧王の父)の墓の可能性が示唆されている。石室内に は、火熨斗など出土品のレプリカが置かれ、発掘当時のようすが再現されている。

 マルチシェルターのプラスチック板の透明度が低下していたことから、今年2月下旬から3月末にかけて、プラスチック板を交換するなどのリニューアルが行われた。

 

高井田特別公開1

高井田特別公開2

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431