柏原と明治維新1

2018年6月10日

明治維新とは

 「明治」と呼ばれる時代が始まったのは、1868年のことです。今年で150年になりますが、柏原の人々は、明治という時代をどのように迎えたのか。残された史料から探ってみたいと思います。

 まず、「明治維新」とは何か。「明治」という時代が始まったことを明治維新と考える人もあるかもしれませんが、歴史的に「明治維新」とは、幕末の動乱から王政復古を経て近代天皇制国家の形成に至る一連の変革をいいます。東アジアに進出する諸外国からの圧力が、幕藩体制の内部の矛盾と結びつき、江戸幕府の支配体制が崩壊しました。そして、近代天皇制国家の確立、資本主義への転換となり、政治、経済、軍事、社会、文化などさまざまな面に変革をもたらしました。

 それでは、「明治維新」とは、いつに始まり、いつに終わったのか。これは諸説あって定まっていませんが、開始は嘉永6年(1853)のペリー来航とすることでほぼ一致します。しかし、天保年間(1830~44)と、少し古く考える説もあります。終わりの時期については、大日本帝国憲法の制定とそれに基づく帝国議会が開設された明治22年(1889)から23年(1890)と考える人が多いようですが、明治4年の廃藩置県、明治10年の西南戦争、明治12年の琉球処分による沖縄置県、明治14年の政変、明治27年の日清戦争など、さまざまな見解があります。その期間は20~60年と幅があります。

 「平成」の次の元号がどうなるのか、誰がいつ決めるのかなど世間の話題となっています。「明治」の元号は、慶応4年(1868)9月7日の夜に、天皇がいくつかの元号候補からくじで選び、翌8日に改元されました。このときに、天皇一代で元号を一つとする一世一元の制も定められています。

(文責:安村俊史)

当辰畑方木綿雑毛下見小前
写真:明治元年9月の「当辰畑方木綿雑毛下見小前帳」(柏元家文書)
   9月8日に明治に改元された。

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