柏原市立歴史資料館 特集展示
2021年1月5日
常設展示室の一角に設けたこのコーナーでは、資料が限られているため企画展示室では扱えないテーマや、過去の企画展で好評だった資料の再展示などを行っています。
今回のテーマ
『悪鬼退散!-古代のまじない-』
展示期間
令和2年12月22日(火)~令和3年4月25日(日)
概要
今回の特集展示では、奈良時代のまじないの道具を紹介します。
「人面墨画土器」は、人の顔が墨で描かれている土器で、市内の安堂遺跡から見つかりました。井戸の中から出土した土器3点には、怒っているとも笑っているとも見える顔が描かれています。その顔は不吉なことを運ぶ疫病神、あるいは自身の穢れや病気を表現したものとみられ、それらを水に流す、言い換えると違う世界に送る、といったまじないが行われていたのではないでしょうか。
太平寺遺跡から見つかった 「土馬」は、馬の形をした土製品で、その用途には2つの説が考えられています。ひとつは、土馬を疫病神の乗り物である馬と見立てて、それを壊すことで疫病神の力を封じるという説。もうひとつは、牛馬を殺して雨ごいの祭りを行うことが奈良時代ではあったため、生きた馬の代わりに土馬を使ったとする説です。どちらの説が妥当かはわかりませんが、馬はそうしたまじないに関係する重要な動物だったといえるでしょう。
ほかにも、まじないに使用された舟形(ふながた)や剣形(けんがた)、人形(ひとがた)などの木製品も展示しています。人形については、おそらく人面墨画土器と同じように、疫病神あるいは自身の穢れの代わりとして使われたと考えられ、現代の「流しびな」とイメージが重なります。
古代の人々はどういった願いをまじないの道具に込めていたのか、ぜひ思いを巡らせてみてください。
これまでの特集展示
- 「大和川付け替えと甚兵衛」… 令和2年9月8日~12月20日
- 「大阪万博から50年-田中友幸が描いた未来-」…令和2年2月4日~ 9月6日
- 「中甚兵衛の生涯」…令和元年9月10日~令和2年2月2日
- 「歴史舞台・玉手山 ー古代編ー」…令和元年6月11日~9月8日
- 「高井田横穴」…平成31年3月19日~令和元年6月9日
- 「八尾の名品-大阪府史跡・愛宕塚古墳のすべて-」…平成30年10月2日~平成31年3月17日
- 「柏原と明治維新」…平成30年6月12日~9月9日
- 「水野家文書 -三田家のはじまり-」…平成30年3月27日~6月10日
- 「安福寺の夾紵棺」…平成30年1月4日~3月21日
- 「和気清麻呂の大和川付け替え」…平成29年9月12日~12月28日
- 「河内大橋」…平成29年4月25日~9月10日
- 「柏原船」…平成29年1月4日~4月23日
- 「大和川のおいたち」…平成28年9月12日~12月28日
- 「玉手山古墳群」…平成28年4月26日~9月11日
- 「おひなさん」…平成28年1月5日~4月24日
- 「堤防を守る」…平成27年9月15日~12月20日
- 「大坂の陣と柏原」…平成27年3月31日~9月13日
- 「わたしの宝物」…平成26年12月23日~平成27年3月29日
- 「つけかえ後の大和川」…平成26年9月30日~12月21日
- 「松岳山古墳復元」…平成26年4月8日~9月28日
- 「午・馬・ウマ」…平成26年1月7日~4月6日
- 「天誅組・新撰組と柏原」…平成25年8月27日~12月28日
- 「古代の柏原」…平成25年3月26日~8月25日
お問い合わせ
文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(歴史資料館内)
電話:072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431